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経理との出会い -2-

そんなとき、ソフト屋はクスリ屋だと思いました。
 経営を改善するため、経営効率を上げるための“クスリ”(ソフトウェア)は、“患者”(顧客)の要望に応じてどんなものでも“調合”(開発)できます。でも、所詮、我々が提供できるのはクスリなんです。
 対処療法はできても根本治療はできないのです。
 まして、自らの健康状態を把握していただくための指導などできるはずもありません。
 医者は患者に「ちゃんと睡眠時間をとりなさい」とか「運動して身体を鍛えなさい」とか指導します。患者はその言いつけを守り、そしてクスリを飲むことにより、病は完治します。

 中小企業経営の医者、すなわち、健康になるための助言や健康状態を把握できるように指導することができる“医者”の必要性を強く感じた私は、中小企業経営の勉強をする傍ら、“病院”を開設しました。
 中小企業診療所という名前で、文字通り、中小企業経営者を相手にした経営の診療所を作りました。
 法人化する際、「診療所」という名前が医療法に抵触するということで「診断所」と改め、有限会社中小企業診断所として活動しています。

 前述しましたように、経営は自らの健康状態を把握できなければなりません。
 決算書や試算表をある程度読むことができ、“疾患”を関知して、然るべき“治療”を施さなければなりません。
 近年、私のところに助けを求めに来られる“重症患者”の多くは、自らの病の重さに気が付いておられません。いや、今は気付いておられるのでしょうが、もっと早い段階ではまったく気付かなかったということが多いのです。すなわち、『手遅れ』なのです。
 人間の病でもそうですが、手遅れになるほどやっかいなことはありません。せめてあと1年、早く気付いていれば手が打てたものを、と思うことが少なくありません。
 たいていは手を打ちたくても打つための資金が枯渇してしまって、まったく何もできない状態なのです。あとは静かに死を待つのみ、と。

 私がここで申し上げたいのは、経営者たるもの、最低限の経理知識を持っていただきたい。そして、自らの健康状態をしっかりと把握してもらいたいということなのです。
 そして、万が一、病があれば『早期発見、早期治療』をしていただきたい。そしてそのことは決して難しいことではありません。
 今まで述べてきましたように、ちょっと努力すればできるのです。
 ちょっとしたきっかけと動機があれば、健康状態を把握できるようになることなど簡単なのです。
 その必要性を感じないか、難しいものと思い込んでいるか、です。
 私は京都府下の中小企業者1500名で構成する京都中小企業家同友会に所属しております。「良い会社を作ろう」「優れた経営者になろう」「経営環境を改善しよう」というスローガンのもと、いろいろな『学び』を追求する中で、毎年、「経営指針周辺知識勉強会」をやらせていただいております。
 経営指針というのは、いわゆるビジネスプランのことで、その経営指針をしっかりと持とうというのは、全国の中小企業家同友会共通の理念です。
 経営指針を作ろうという掛け声は挙がるものの、決算書すら読めない経営者が少なくない状態では、経営指針に基づく近代経営などおぼつきません。ですから、経理知識をはじめとした周辺知識を持っていただくために、「決算書の読み方」「経営分析の仕方」「マーケティング戦略と事業ドメイン」といった勉強会をやらせていただいております。
 毎回、熱心な経営者の方が多く集まって勉強していただくのですが、別の見方をすれば、如何に決算書が読めない経営者が多いかということを物語っております。

 差別化が叫ばれる昨今、戦略的な経営を推し進める上においても、必要最小限の経理知識は必要であるとの認識を持っていただきたいと思います。
 いままで経理というものにあまり接してこられなかった方にとっては、大変、ハードルが高く感じられます。
 でも、必要最小限の知識を持っていただくことは決して難しいことではなく、また、これからの経営を考える上においても大変重要でかつ必要なことなのです。
 経理とか会計とか簿記とかを難しいものととらえるのではなく、できるところから身近に接していくことが大切だと思います。
 そして、ご自身の身の丈にあった知識武装をしていただき、日々の中小企業経営に臨んでいただきたいと願っております。